ストローワインとは?干しぶどうが美味しさの秘訣【初心者向け】

ストローワインとは

ストローワインというワインをご存じでしょうか?
あまり聞きなれないワインかもしれませんね。ストローワインとは、干しブドウから造られる、甘口のデザートワインの一種です。

水分が蒸発して糖分が凝縮されているので、アルコール度数は高めで、コクのある甘口ワインに仕上がります。
長期保存に耐えられるタイプが多いのも、特徴のひとつです。
ストローワインの主な生産国は、イタリア、フランス、スペイン、オーストラリアで、特にイタリアで造られる「ヴィン・サント」や「レチョート」、「アマローネ」などがよく知られています。

フランス・ジュラ地方の伝統的なワイン「ヴァン・ド・パイユ」も有名です。

ストローワインの「ストロー」の意味

ストローワインの「ストロー」とは、藁(わら)を意味しています。
熟したぶどうを収穫した後に、藁(ストロー)の上で干して乾燥させて、干しブドウにしてからワインが造られることから、ストローワインと呼ばれるようになりました。

ストローを使って飲むワインという意味ではありませんので、間違われないようお気を付けください。

造られ方・醸造方法の特徴

ストローワインは、収穫されたブドウを藁の上で乾かして水分を蒸発させ、乾燥させてた干しブドウを使って醸造されます。
ただ、すべてのストローワインが藁の上で干しているというわけはありません。
生産地によっては、樹の網の上で乾燥させたり、吊るして干したブドウを使うところもあります。

イタリアのベローナ北部にあるバルポリチェラで造られる「アマローネ」は、剪定後に2~4ヶ月かけて藁か木の網の上で乾燥させて、重量が35~50%減って干しブドウ状態になってから、ワインへの加工が始まります。

低温で時間をかけて発酵することで、ブドウのアルコール度が高くなり、フルーティーな香りと強いタンニンとが混ざり合って、魅惑的なアロマを持ったアマローネ独特の風味に仕上がります。
濃厚な果実味と高い酸味のバランスが取れた、濃厚なフルボディに仕上がります。

フランスのジュラ地方で造られる「ヴァン・ド・パイユ」は、ブドウの収穫時期を少し遅らせて、遅摘みブドウが使われます。
状態がいい果実だけが厳選され、最低6週間かけてよく乾燥させ、水分を約半分になるまで蒸発させます。
そこから圧搾し、発酵は1年間かけてゆっくりと行われ、さらに2~5年かけて熟成されます。

貴腐ワインのような甘口ワインに仕上がり、デザートと一緒に楽しむのが一般的です。

ストローワインを美味しく飲むには?

イタリアでは、ストローワインを食後のワインとして楽しむのが一般的で、カントゥッチと呼ばれるビスケットと一緒に食べる習慣があります。
他にも、チーズケーキやバニラアイスクリームと合わせたり、チョコレートやドライフルーツをつまみながら、ナイトキャップ(寝酒)として楽しむのもおすすめです。

日本ではなかなか見かける機会が少ないかもしれませんが、ワイン通販で取り扱っているショップを探すと、わずかながら見つかるでしょう。

まとめ

ストローワインとは、干しブドウを使ってじっくり時間をかけて造られた、個性的な高級ワインです。
食事と合わせるよりは、デザートワインとして食後やお休み前に味わうことで、さらに魅力が感じられるでしょう。
ぜひ、機会があれば味わってみてください。