フォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)とは
ワインは生産地や原料、醸造方法によって様々な分類ができますが、醸造方法の違いに着目すると、「スティルワイン(非発泡ワイン)」「スパークリングワイン(発泡ワイン)」「フォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)」「フレーバードワイン(混成ワイン)」の4つに分類されます。
フォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)とは、醸造工程中に40度以上のブランデーやアルコールを添加してアルコール度数を高めたワインのことです。
甘口タイプと辛口タイプがあり、甘口はデザート用に、辛口は食前酒として飲まれるのが一般的です。
ただ、最近では食前、食後といったタイミングにはこだわらず、自由なシーンで楽しむ人が増えてきています。
世界三大フォーティファイドワイン
フォーティファイドワインという言葉を聞きなれない人でも、シェリーやポートワインなら聞いたことがあるかもしれませんね。
実は、シェリーもポートワインも、世界三大フォーティファイドワインのひとつです。
ここからは、世界三大フォーティファイドワインに数えられている3つのワインについて解説していきます。
シェリー(スペイン)
シェリーの主な生産地は、イベリア半島南部に位置する、スペインのアンダルシア州カディスにあるヘレスです。
パロミノ、ペドロ・ヒメネス、モスカテルなどのブドウ品種を使って造られたものだけが、シェリーを名乗ることができます。
マデイラ(ポルトガル)
マデイラは、ポルトガルの首都リスボンから南西に1000km離れた、太平洋上のマデイラ島という島で造られています。
18世紀、ジブラルタル海峡を巡る紛争が起こったため、ワインを輸出する際の航路を絶たれ、マディラ島では島内でワインを大量に貯蔵せざるを得なくなりました。
島の人々は、貯蔵していたワインの一部を蒸留してワインに加えることで、保存性と貯蔵効率の両方を高めることに成功します。
それらのワインが、とてもコク深い味わいになっていたので、マディラに欠かせない製法として定着していきました。
現在では、ブランデーを加えて造られており、色や醸造方法による分け方もありますが、甘さによる分類が一般的で、セコ(辛口)、メイオ・セコ(中辛口)、メイオ・ドセ(中甘口)、ドセ(甘口)の4種類に分かれています。
ポートワイン(ポルトガル)
ポートワインは、ポルトガルのドウロ川上流に位置するドウロ地方で造られています。
「ポルトガルの宝石」と呼ばれることもあり、ポルトガルを代表するお酒です。
造られ方・醸造方法の特徴
シェリーは、熟成したワインの樽に、若いワインを注ぎ足していく「ソレラシステム」と呼ばれる独自の熟成方法で、均一品質のワインになるよう造られています。
マディラは、酒精強化だけでなく、太陽熱を利用した「カンテイロ」あるいは加熱タンクを用いた「エストゥファ」という加熱処理を経ることが特徴として挙げられます。
ポートワインは、発酵途中でアルコール分77%のブランデーを加えることで発酵を止め、独特の甘みやコクを生み出す製法で造られています。
フォーティファイドワインを飲むには?
フォーティファイドワインは、バーやレストランなどで気軽に飲めます。
また、通販でも買うことができます。製法の違いによって甘口から辛口まで味わいの幅が広く、好みや飲むシーンによって選べるのも魅力です。
ドライフルーツやナッツ、ブルーチーズ、アイスクリームなどとよく合います。
こちらも通販での購入が可能です。
詳しくは【トカイ】極甘口の「貴腐ワイン」とは?ワイン通販で簡単に買える?にてご紹介していますので、是非あわせてご覧ください。
まとめ
フォーティファイドワインとは、醸造工程中に40度以上のブランデーやアルコールを添加し、アルコール度数を高くして保存性やコクを高めたワインです。
芳醇で複雑な風味があり、辛口から甘口まで味わいの幅が広いのも魅力です。
この記事を参考に、ぜひ世界三大フォーティファイドワインを飲み比べてみてくださいね。