【ワイン入門】遅摘みワイン(レイトハーベスト)とは?どこで飲める?

遅摘みワイン(レイトハーベスト)とは

遅摘みワイン(レイトハーヴェスト)とは、収穫時期をギリギリまで遅らせることで糖度が上がり、旨みが凝縮されたブドウを使って造られる、甘口のワインです。
完熟したブドウを本来の収穫時期には収穫せず、樹についたままの状態にして意図的に収穫時期を遅らせることで、ブドウの水分が蒸発して生乾き状態になります。

遅摘みワインは、華やかで芳醇な香りとコクがあり、ブドウの旨味がギュッと詰まった、とろけるような味わいが魅力です。

遅摘みワインを造っている地方

遅摘みワインを造っている代表的な地方は、フランスの南西地方やドイツですが、イタリア、チリ、アルゼンチン、ニュージーランド等、世界各国で生産されています。
日本でも、北海道のケルナー種を使って造られるものが有名です。

フランス南西地方のガロンヌ河とドルドーニュ河の上流に位置する、ベルジュラック、ジュランソン、ソーシニャック、モンバジャックといった地区は、遅摘みワインの名産地としてよく知られています。
中でもソーシニャック地区では、もともとの地形の利点と晩秋の午後に太陽光が当たりやすいという条件を活かして、甘口ワイン「モワルー」や極甘口ワイン「リコルー」といった遅摘みワインが造られていて人気があります。

ドイツでは、ブドウの糖度によってワインの呼び名が異なりますが、遅摘みワインは「シュペトレーゼ」と呼ばれています。

遅摘みワイン用のブドウ栽培に適しているのは、ブドウの収穫期に雨がほとんど降らず、天候が安定している地域です。

造られ方・醸造方法の特徴

遅摘みワインには、ブドウを超完熟状態にするために、傾斜のある斜面で太陽の光をたっぷり浴びることのできる畑が理想的だと言われています。
遅摘みワインに使われるブドウ品種は、セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデル、シュナン・ブランです。

既に完熟状態になっているブドウを、樹についたままの状態にして意図的に収穫時期を極限まで遅らせます。
こうすることで、ブドウの水分が蒸発して生乾き状態になり、糖度が上がります。
糖度が高くなったブドウが樹の上になったままだと、鳥に食べられてしまったり、雨に濡れてカビが生えるリスクもありますので、どうしても収穫量が限られてきます。

超完熟状態になったブドウは一度に収穫せず、何回かに分けて手摘みで収穫して醸造されます。
除梗と圧搾の後、甘みを残した状態で発酵を終了させるので、アルコール度数は低めに仕上がります。

遅摘みワインを飲むには?

遅摘みワインは、ワインバーなどたくさんの種類のワインを取り扱っている飲食店で飲めます。
また、通販でも買うことができます。ハーフサイズの375mlで販売されているものをよく見かけます。

原料となる遅摘みブドウの収穫量が少ないため安価ではありませんが、貴腐ワインやアイスワインと比べるとリーズナブルです。
とろけるように甘く濃縮した香りと綺麗な酸のバランスが取れた、フレッシュな味わいが魅力。

フルーツタルトやブルーチーズなどと合わせて、デザートワインとして楽しむのがおすすめです。

まとめ

遅摘みワインとは、完熟ブドウが樹になった状態のままで辛抱強く収穫時期を待つことで、意図的に糖度を高くして造られるデザートワインです。
貴腐ワインやアイスワインよりは、手頃な価格で手に入ります。
甘口ワイン好きな方は、ぜひ産地ごとの味わいの違いを飲み比べてみてくださいね。