世界三大貴腐ワインの産地!ソーテルヌワインの歴史を知ろう

貴腐ワインが有名なフランスの「ソーテルヌ」

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ワイン王国フランスには銘醸地がたくさんありますが、中でも唯一無二の存在感を放っているのが、ソーテルヌ地区です。

ソーテルヌ地区は、フランスの二大銘醸地のひとつであるボルドー地方の南東を流れる、ガロンヌ川の左岸に位置していて、支流のシロン川を挟んだ場所にワイン産地が広がっています。
シロン川は、ガロンヌ川と比べて水温が低いため、水温の異なる2つの川が合流する地点では、秋の夕方から夜明け過ぎにかけて霧が発生しやすくなります。
また、午後には霧が晴れて空気が乾燥し、ブドウが貴腐化しやすい絶好の条件が揃っています。

ソーテルヌ地区では貴腐菌の繁殖を待って、10月の中旬頃からブドウの収穫を始めます。
良質な貴腐ブドウが比較的安定して収穫できることから、ソーテルヌ地区は世界最高品質の貴腐ブドウの産地と言われています。

そして、ソーテルヌの貴腐ワインは、甘口ワインの最高峰として、世界中で高く評価されています。

ソーテルヌワインの歴史

ソーテルヌ地区は、中世からワイン造りが行われていた長い歴史があります。
17世紀頃から甘口ワインの評判が良く、甘口ワインを多く輸出していました。
ただ、ソーテルヌ地方で貴腐ワインがいつ頃から造られていたかについては、書物などがなく謎のままです。

畑を任せていた小作人がブドウを放置してシワシワにさせてしまい、腹を立てたオーナーが罰として醸造させたら、甘くて美味しいワインができあがったという説や、あるワイナリーのオーナーが収穫時期に畑を離れざるを得なくなり、用を終えて帰ってきたときにシワシワになっていたブドウを使い、ダメもとでワインを造ったらとても美味しかったなど、諸説あるようですが、定かではありません。

ソーテルヌの甘口白ワインの格付けは、1855年のパリ万博の際にナポレオン3世によって定められて以降、これまで一度も変更されていません。
最も有名な生産者で最高ランクの特別1級に指定されているのが、ボルドーで最も古いシャトーのひとつ「シャトー・ディケム」です。

ソーテルヌワインに使われるブドウ品種・味の特徴

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ソーテルヌワインに使われる主なブドウ品種は、セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、ミュスカデルです。ここからは、それぞれのブドウ品種の味や特徴について解説していきます。

セミヨン

セミヨンは、フランスのボルドー地方を原産とする白ワイン用ブドウ品種です。
甘口から辛口まで、幅広いタイプの白ワインの原料として使われています。

ソーテルヌ地区では、セミヨンを主体にブレンドした世界最高峰の貴腐ワインが造られています。
房と粒が大きく樹勢が強いので、育てやすく生産性が高い品種です。

果実は早熟で、果皮が薄く貴腐菌が付きやすいため、貴腐ワインの原料に適しています。
セミヨンは個性が控えめで、単独で使われるよりもソーヴィニヨンブランなど他のブドウ品種とブレンドされることが多いです。

洋梨やドライフルーツのような香りが特徴で、酸味は穏やかです。糖度は上がりやすく、コクとボリュームのある仕上がりになります。

ソーヴィニヨン・ブラン

ソーヴィニヨン・ブランは、フランスのボルドー地方が原産で、黒ブドウの王様とも呼ばれるカベルネ・ソーヴィニヨンの親にあたる品種として知られています。
グレープフルーツなどの柑橘系フルーツと、ミントなどハーブを思わせる香りが特徴で、辛口タイプに仕上げられることが多いです。

果皮が薄く、貴腐菌が付着しやすい品種なので、ソーテルヌ地区をはじめとしたボルドー地方では、貴腐ワインの原料としてセミヨンとのブレンドでよく使われます。

ミュスカデル

ミュスカデルは、フランスのボルドー地方やオーストラリアで栽培されている品種です。
晩熟で栽培が難しいとされています。単一品種として使われることは少なく、セミヨンやソーヴィニヨンブランなど他の品種とブレンドして、アクセントをつける目的で使われる補助品種です。

酸は少なく、ムスクやジャスミンのような香りが感じられます。

まとめ

ソーテルヌワインは、世界三大貴腐ワインの頂点として、世界中で高い評価を受けています。
甘さだけではなく、果実味や酸味もしっかりと感じる複雑な味わいが魅力のソーテルヌワインを、ぜひ味わってみてくださいね。

ソーテルヌワインをはじめとする貴腐ワインを通販で購入することも可能です。
【トカイ】極甘口の「貴腐ワイン」とは?ワイン通販で簡単に買える?にて詳しくご紹介していますので、是非あわせてご覧ください。